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対談:読売ジャイアンツ 小林誠司、野球解説者 (元 東京ヤクルトスワローズ)宮本慎也

  • なぜ、同志社だったのか。
  • 自分たちで考える野球とは。
  • 同じ年齢でのプロ入り。

Theme3:同じ年齢でのプロ入り。

―お二人とも大学卒業後は社会人野球に進まれました。

宮本

最初は評価が低かったので、まず社会人で頑張ろうと。でも実際に行ってみると、野球でお金をもらうことのありがたみを改めて感じましたし、いろんな人にも会えましたし、そういう意味では社会人を経験してよかったですね。プリンスホテルではオフシーズンに少しだけ働きましたよ。宴会のテーブル担当のヘルプをしたり…たまにしかいないからメイン担当はできない(笑)。キッチンで皿洗いをしたり、紙ナプキンを折ったり。

小林

僕は社会人に行くことに決めていましたが、プロの道を選びきれなかったのは自分に自信がない部分が大きかったです。入社後は野球を仕事にできる幸せを感じましたが、一方で他の社員の仕事ぶりを見ていたら野球だけをしていていいのかなと考えたこともありました。野球はもちろん、人間的にも成長させてもらった2年間だったと思います。

―小林選手から先輩への質問があれば、この機会にぜひ。

小林

僕はまだ入ったばかりで右も左も分かりませんが、プロとアマの違いは何だと思われますか。

宮本

まず、常にファンや記者から見られてプレーすることですね。練習の時もずっと見られて野球をすることってまずないでしょ。

小林

ないですね。

宮本

そして毎日試合すること、これが実は一番大変です。プロ1年目の時、前日にナイターで試合をして、翌日東京から地方に新幹線で移動して、その夜にまたナイターで試合をするなんてこの人たちはおかしいと本気で思いました。そのくらい体力がないと駄目なんです。さらに毎日結果も出るので、それが結構つらいわけです。次の日には切り替えないといけないんですが、一方でレギュラーをとるためには24時間野球のことを考えないといけない。好きな野球を仕事にできたのは幸せ以外の何物でもないですが、いくら好きでも24時間野球漬けだと苦しいことも出てくるし、逃げたくなる時も当然あるんです。でも自分の実力をまず把握して、50だったら50の力をまず出して、徐々に60、70の力をつけていく、そうやって苦しさに向き合っていくしかないですね。

小林

そんなプロの世界で長くやってこられて、気持ちの切り替えで心掛けられておられたことはありますか?

宮本

切り替えられないことの方が多いですよ、正直。常にいい精神状態で野球はできないと思っておいた方がいい。でも、どんな状態でもファンが観に来る限りは最高のパフォーマンスをしないといけないから、それには練習しかないですよね。緊張して全力が出ないのは仕方ない話で、それをカバーするのは技術なので。
あと、自己分析も大事です。僕はプロ1年目の時、バッティングに自信がなくて、「まだチャンスは来るな」とずっと思ってました。多分失敗してレギュラーを逃すから。それで2年目、今レギュラーをとれなかったら一生とれないなと思った時に勝負をかけたんですけど。

小林

僕も打つ方はちょっと自信ないです。

宮本

見ないことにはアドバイスできないけど、試合に出続けることでバッティングはよくなるから。

小林

分かりました。では最後に、もし宮本さんが新人に戻ったらこれだけはやっておこうということがあれば教えていただきたいです。

宮本

19年やって何とか結果を残せたから自分としては十分なんですが、強いて言えばもっと目標をしっかり持っていればよかったというのはありますね。結構行き当たりばったりだったから。例えば「12球団で一番のキャッチャーになる」という大きな目標をまず立てて、それに対して何ができるか、小さい目標をつくってクリアしていく。これは古田(敦也)さんも言ってたけど、大きい目標ばかりだと結局苦しくなって妥協する部分が出てくるから。

―改めて、同じ年齢でプロ1年目を迎える後輩に一言お願いします。

宮本

社会人を経て25歳でプロ入りというのは人より遅いスタートなので、まずはできるだけ早く試合に出れるようになってください。プロに入ってショックなのは、名前も知らないような選手が意外とすごいんですよ。僕も最初、守備は自信あったんですけど、それ以外は初めてのキャンプでヤバイヤバイと思いましたから。ジャイアンツという注目度の高い球団のドラフト1位というのは、厳しい言い方かもしれないけど、全てが幸せなことばかりではないです。即戦力として期待もされるし、注目もされる。それを受け止めて頑張ってもらいたいですね。

小林

ありがとうございます。一日でも早く一軍で活躍するために、コツコツ地道に努力しつつ、チャンスが来たら自分の力を出し切れるようにしたいです。

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